不登校が増えている 2024/11/05
私の場合、中学生のときだった。もう学校になんか、行きたくないと思った。みんなと一緒に教室にいても、何だか自分だけ宙に浮いているような気がした。独りぼっち。そんな言葉がギュウギュウと胸をしめつけ、悲しく、苦しかった▼そのころ、かなり背伸びをして読んだ本の一つは、哲学者の三木清が著した『人生論ノート』だった。「孤独は山になく、街にある。一人の人間にあるのでなく、大勢の人間の『間』にある」。布団に丸まりながら、知った。集団のなかにこそ、ひとは孤独を感じるものなのだと▼いまも、そんな悩みを抱えている子がいるのだろう。不登校の小中学生が、過去最多の34万人に上ったという。いじめも過去最多で、小中高校で73万件が報告されたそうだ▼一人ひとり、異なる事情があるのだろうから、決めつけるようなことは言いたくない。ただ、不登校の要因について、「やる気が出ない」といった相談が最も多かったと文科省は説明する。これはやる気の問題なのだろうか。素直にうなずけない▼そもそも、学校とは何なのか。みんなが同じ方向を向いて座り、何かと規則でダメと叱られる。勉強といっても、決められた答えばかりを求められてはつまらない。楽しい思い出もあるけれど、もう一度行きたいかと問われれば、迷ってしまう▼人生は旅である。自由な旅である。中学生の私は、魯迅の言葉にも助けられた。「もともと地上には道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ。
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親も社会も・・不登校はマイナスのイメージで見ているが、それを疑問視する人は少ないだろう。学校も親も政治家も‥社会は、そう信じて疑わない。学校という制度は、社会の中に組み込まれていて、社会も親も・・それがどんな意味を持っているのか、あまり考えることもない。それは、政治にも、経済にも・・世界的にも、基本的に疑問の余地が少ない・・大人の世界・・社会なのだ。大人の意識に疑問がないということは、不登校の子供の意識や考えを・・真の意味で理解して「そこから学んで理解する」という意識がないということなんだろう。それは学校に限ったことではなく、社会というものが・・政治・経済にしろ、国家簡にしても、同じことが言えるだろう。
社会は、歴史を重ねる中で、学んで発展しているようだが、そこに権力とか力の暴力が発展して・・今の世界の暴力・戦争に至る歴史は繰り返すばかりで、物質的な進歩は進んでいても、人間の心は疑問を重ねているようだ。
「自然災害」に思う 2024/07/07
毎年訪れる台風や豪雨などの自然災害を、ニュースで見るたびにいつも感じていたのは・・九州・四国等に多発する災害の復旧にどれだけ国の予算が使われているか・・ということだ。ボランティアの人々の善意には頭が下がるが、いま行われている都知事選挙のはなやかな公約とか人々の熱気を見ながら・・政治とか社会の中の人々の見ている方向や意識の違いを、いままでいつも感じてきた。沖縄の基地問題に対する本州の人々の意識についても、同じようなことをいつも知らされる。
それは一極集中という言葉にも見られる・・人々の意識というものなのだろう。政治に限ったものでなく、私たちひとりひとりの意識というものは、子育てから始まって・教育・就職に至る・・人生の過程であり、それは親や社会というものが長い時間をかけて作り上げてきた方向なのかもしれない。だがそんな流れに多少でも疑問を感じて、どうにかそんな流れを変えられないんか・・という思いの人もいるのではないか。
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〔(8がけ社会)東京というブラックホール 若者引き寄せる力、国は人口減 朝日 2024年7月5日
地方から若者を引き寄せ、出生率を下げる「ブラックホール」と形容される東京。2040年に現役世代(15~64歳)が2割減る「8がけ社会」に向かう中、東京の「引力」が増すほど、地方の人手不足は加速し、少子化問題の解決を難しくさせる。7日投開票の都知事選は、そんな難題を問う機会となる。
■選択肢多く便利で自由――「地元に戻るつもりはない」
「やりたいことがないから、ですかね」
岩手県陸前高田市出身で東京都杉並区に住む会社員男性(23)は、東京で暮らす理由について「選択肢を確保しておきたいから」と語る。
東京の大学を卒業したら地元に戻るつもりだった。だが、就活を始めると、キャリアの選択肢が限られていることに気づいた。
東京での一人暮らしは家賃や物価も高く、「少し背伸びしている感覚」。定年まで働き続けるイメージもわかない。だが、それ以上に東京は刺激にあふれている。
仕事も娯楽も子育ても、選択肢が多い東京に若者が集まるのは仕方がない。明確な目的がないからこそ東京にいる人も少なくないと思う。「東京だったら、何者にでもなれる。可能性を手放したくないんです」
東京都港区で暮らす会社員女性(30)も「地元に戻るつもりはない。東京は便利で、自由で、居心地もいいから」と語る。
高校卒業までは、実家のある兵庫県姫路市で育った。大学進学を機に、東京や神奈川で暮らすようになって13年目。転職して3社目となるIT系のベンチャー企業で働きながら一人で暮らす。
東京一極集中に無関心なわけではない。「姫路の未来も考えないと、と思うんだけど」
姫路駅周辺は近年再開発され、「住みたい街だと思ってもらえるようにがんばっているのは感じる」。それでも、価値観の多様さがある東京を離れようとは思わない。「いま私が感じている自由さは、東京だから守られている」
いずれは結婚したい。もし子育てすることになったら、都が打ち出してきた、経済的な支援策だけでは不十分だと感じている。「育児の負担が女性に偏っている現状は、お金の支援だけでは変えられないから」。だからこそ、都知事選では新しい価値観を作っていける人に一票を投じたい。(藤谷和広、田中瞳子)
■一極集中の是正、都知事選でも論戦
主な働き手となる現役世代(15~64歳)は、2040年までに2割減る。そんな縮みゆく社会を朝日新聞は「8がけ社会」と名付けたが、「8がけ」はあくまでも日本の平均の姿だ。
国立社会保障・人口問題研究所の推計では、都道府県の3割は15~64歳の人口が20~40年で「6~7がけ」になるが、東京都は2・4%しか減らない。一方で1人の女性が生涯に産む子の数を示す都の合計特殊出生率は昨年初めて1を割った。
東京一極集中に伴う「ブラックホール」問題は、都知事選でも論戦となっている。告示日前日の共同記者会見で、小池百合子氏(71)は「一極集中だけを問題にしていると、パイを切り刻むだけで、国力を失う」と語る一方、少子化対策では「子育て・教育にお金がかからない東京の実現を」と経済的支援に力点を置く。
蓮舫氏(56)も「都知事として東京のことを最優先に考える」と一極集中の是正を都政の課題からいったん切り離した上で、少子化への対応として「若い人の収入を上げ、働く環境を改善する」と強調する。
前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)は「未婚者をどう婚姻に結びつけていくかは都市部だけでは解決できない。都市への過密が大きな背景で、そこへの取り組みが欠かせない」と語り、他の道府県と連携して「多極分散をめざす」と主張している。
過密な住環境や高騰する住宅費、将来の社会保障の逼迫(ひっぱく)や災害への脆弱(ぜいじゃく)性にもつながる東京一極集中は、都民の暮らしにも直結する。だが、巨大な財源を持つ都が魅力の向上を図ろうとすればするほど、地方から人を引きつける一極集中が強まる「ジレンマ」に陥っているようにも見える。(古賀大己、阿部彰芳)
■どんな選択も保障する社会を
白波瀬佐和子・東大特任教授(人口社会学)の話 性別役割分業のもとで、人口の一極集中が経済的にプラスに働いた時代もあったが、今後は投資を東京の外に向ける必要がある。地方に企業を誘致し、居住・子育て環境を整備する。ジェンダーギャップの是正や働き方改革も欠かせない。
すぐに効果が出なくても対策をとり続ける辛抱強さが求められる。都知事になろうとする人には、小手先の子育て支援策ではなく、日本全体の将来を見据えたビジョンを掲げてほしい。
子どもを産みたくない人、産みたくても産めない人もいる。人口というマクロな議論をするときは、一人ひとりに思いをはせることが大切だ。個人の選択が社会をつくっている。どんな選択も保障する社会でありたい。(聞き手・藤谷和広)
◆キーワード
<人口の「ブラックホール」問題> 大都市を中心に、若者らの人口流入が多い一方、出生率が低くなっている状態。民間有識者でつくる「人口戦略会議」は4月のリポートで、東京都の16区や大阪市など全国25市区町村が「ブラックホール型自治体」に該当すると発表した。
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進む豪雨復旧、縮む集落 熊本・福岡 朝日 2024年7月5日 5時00分
災害の被害に遭った全国の過疎地で、大がかりな復旧・復興工事が進む一方、住民が地域の外に流出する動きが繰り返されてきた。4年前の熊本豪雨と7年前の九州北部豪雨に襲われた地域でも、こうした状況はなお続いている。
■熊本…土地かさ上げ、再建予定は4戸 福岡…「立派な橋」完成、農地工事は遅れ
深い山あいを縫うように、熊本県南部を流れる球磨(くま)川。川に沿って走る国道を土砂を積んだダンプが行き来する。2020年7月4日の熊本豪雨で氾濫(はんらん)した川の泥水や土砂に襲われた球磨村では、約1400世帯の3割超が被災した。
国土交通省によると、国は次の氾濫時には浸水を防げるよう総額1540億円をかけ村内11カ所で計6・4ヘクタール、土地を最大3・9メートルかさ上げする工事に着手し、25年度末の完成を目指す。球磨川流域では堤防や遊水地の整備なども進める。
球磨川と支流の川内川に挟まれる神瀬(こうのせ)集落では2ヘクタールでかさ上げ工事が進む。かつて立っていた住宅27戸は、被災後ほとんどが撤去された。工事終了後、ここで住宅を再建すると決めているのは4戸にとどまる。
山深い集落は交通の便が悪く、自宅の損壊を機に村外へ移り住む人が相次いだ。自宅が全壊した多武義治さん(64)は、神瀬から車で30分余り離れた町の「みなし仮設住宅」で暮らす。来秋には村内に戻るが、別の地区の予定だ。当時、目前に迫る濁流から高台に逃げた。「もう恐ろしい経験はしたくない」と話す。
国としては地元住民の意向を聞き、復旧・復興に必要だと判断し工事を進めた、という。
17年7月5日の九州北部豪雨に襲われた福岡県朝倉市の松末(ますえ)地区。大雨で木々が削り取られ、茶色の土がむき出しになった山のふもとに、長さ71メートルの松末橋が架かる。
朝倉市は住宅被害が1469戸になり、死者32人、災害関連死1人などの被害が出た。昨年7月までに国の事業費600億円が投じられ、砂防ダム30基と、長さ計14キロの川の護岸整備がなされ、橋20本が架け替えられた。松末橋が架かる川は幅と深さが2倍に拡幅され、橋の延長は10倍になった。
「松末地域コミュニティ協議会」の高倉保之さん(72)は「立派な橋が造られ、感謝している」と話すが、もどかしさもある。橋が完成した22年10月までに、地区から出て生活を再建する人たちが続出。三つの集落が消滅するなど、人口は681人から今年4月には330人へと減った。
人口流出について、高倉さんは、復旧の先行きが見えにくかったことを挙げる。住民の多くを占める農家への影響が特に大きかったという。
松末地区を含む市内の被災農地206ヘクタールについて、市は18年度から復旧工事を始めた。進みが遅く今年6月末までに完了したのは4割。来年度中の終了を目指すが、どの程度の農家が戻るか定かではない。高倉さんは「早い段階で復旧のめどが立てば、戻ってくる人はもっといたはずだ」と話す。(飯島健太、池田良)
■「住民の思い、支える復旧を」
過去の災害でも、人口減が止まらない被災地での復旧事業は、さまざまな困難に直面してきた。
東日本大震災で被害を受けた岩手県陸前高田市。震災前に約2万4200人だった人口は3割近くも減少。一方、市は市街地の2地区で計76.6ヘクタールのかさ上げなどをする土地区画整理事業を、総事業費1635億円を投じ完了させたが、利用率は昨年10月時点で44%にとどまる。
今年1月の能登半島地震では、人口減少を踏まえた「復興プラン」が石川県によって策定された。小さな集落単位で浄水装置や浄化槽を整備するような「自立・分散型」の積極的な導入を掲げる。
中山間地の地域づくりを研究する作野広和・島根大教授は「衰退を強いられる地方の住民の思いを支える災害復旧にするべきだ。衰退が是か非かという二択ではなく、その間のグラデーションに人は生きていくという理解のもとで考えられるべきだ」と指摘。地方の問題ではなく、今後人口の減る都市部でも同じ課題として検討されるべきだ、と話す。(伊藤隆太郎) 〕
子供の不登校から学ぶ 2023/10/16
不登校の子供に、親・教師・カウンセラーが向かう方向は‥疑うこともなく「子供が学校に行く」ことだが、それは子供にとって、親・教師・・さらに学校や社会にとって「良いこと・好ましいこと」なのだろうか。それは不登校の解決と思われて、そこに疑問の余地はないようだ。子供が不登校をするのは、子供に原因があるという一方的な見方をするから、学校や教育制度を疑うという発想は・・・ほとんど見られない。教師もカウンセラーも、子供の姿や行動から、我が身を振り返って、その中から学ぶということが見られないのは、さびしいことである。
子どもたちは、すでに学校に行く前から、生まれた時から・・親の目で、社会に適応し、競争に勝って・・より恵まれた地位について、財産をより多く獲得して、自分の望み・欲望を満たすことに・・・子育ては費やされ、学校教育に受け継がれていく。それは、いまの学校でのいじめや暴力に、社会の格差や犯罪に、戦争にも受け継がれていく。
努力や競争は、科学技術の発展、人間の幸福につながるという考えを否定する人はいないようで、その影の部分に目を向けることは重要なことではないか。
だが、地球上の資源・・それは人間の競争で勝ち抜いた‥ごくわずかの人たちによって独占され、落ちこぼれた多数の貧者や恵まれない多くの人々を生み出し、いじめから犯罪や戦争を生み出している。それが・・人間の歴史というものの本質なのかもしれない。地球の資源から動植物までが人間の、欲望の犠牲になっているのは事実であり、地球の温暖化をもたらしている。
人間が、人間の欲望が・・地球を破壊し、人間も他の生物も、生きられない世界に向かっている。
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不登校最多に 最適な支援 一人一人に 朝日(社説) 2023年10月15日
コロナ禍が、今も子どもに悪影響を及ぼしている。そう実感させられる調査結果だ。国や自治体、学校、専門家らが協力し、一人一人の子どもに最適な支援を進める体制を整えなければならない。
年間30日以上登校せず、「不登校」とされた小中学生の数が昨年度30万人と、過去最多を更新した。35人のクラスに1人は不登校の子がいることになる。文部科学省は、コロナ禍で学校や家庭の環境が変わり、生活リズムを崩した子などが多いことも背景にあるとみている。
増加自体は必ずしもネガティブな面ばかりではない。状況によって学校を休むことに理解を示す保護者や教員が増えたり、地元の教育支援センターやフリースクールなど、学校以外の居場所が増えたりした影響もあるからだ。
だが不登校の小中学生の38%、11万人以上は、学校内外の組織のどこからも支援を受けていない。しかも、こうした子の人数や割合は年々増えている。多様な子を受け入れる施設が足りないうえ、教員らの態勢が整わないために接触さえできず関係を構築できていない家庭もある。
今回の結果を受け、文科省はこども家庭庁と連携して、教室以外の場所やオンラインで学べる体制を強化するなど、支援が届かない子を減らす取り組みを急ぐ。政府は早急に効果的な方法を見つけ、必要な予算を惜しまずに投入してほしい。
不登校以外にも、「病気」「その他」の理由で小中学校を30日以上欠席する子が13万人以上いる。こうした子についても、取りこぼすことなく支援しなければならない。
一方、小中高生の自殺者数は減少に転じない。昨年度は411人と、コロナ禍が本格化した20年度の415人に次いで多かった。3年連続で増えた小学生と中学生が、特に心配だ。
小中高でのいじめの認知件数や暴力行為の発生件数も、過去最多だった。いずれの問題も、学校が早めに気づき、解決をめざすことが対策の基本だ。だが、働き方改革が進まない現状では、教員だけでは適切な対応ができないケースも多い。多忙のあまり問題を小さくとらえ、取るべき対応が遅れる危険も増す。
状況を適切に判断できる教員を増やすとともに、子どもの相談に乗るスクールカウンセラーらの充実も急がなければならない。スクールソーシャルワーカーなどが、保護者や自治体の福祉部門、NPOなどをつなぎ、その子に合った最適な支援を多面的に考えることが大切だ。
カードに潜むこと 2023/06/28
2万円分のポイントまでつけて、カードの登録を急いでいる政府は、次々に出てくる健康保険のミスやトラブルで困惑する医療関係者の戸惑いにもかかわらず、
強引に進めようとしている。いまでも、何枚かあるカードの1枚でも紛失して、危機感を持つのが・・医療から運転免許証まで一緒こたにすれば、便利なんてことは無くしてしまう不安や危険性にかすんでしまうと、私は考える。
これは単なるカードの問題ではなく、自民党政治を支える、国民という名の人々の意識の問題というしかないようだ。それは人々の生活から、子育て、教育、経済、文化、スポーツにまでもおよんでいる。カードにしても、ウクライナにしても・・それは、私たち個人の意識の問題ではないか。
[ マイナカードと保険証 朝日(天声人語) 2023年6月25日
最新のゲーム機にするか、動物図鑑にするか。誕生日のプレゼントを子どもが迷う。こんな時、頭ごなしに親が図鑑と決めてもだめなことが多い。「こっちの方が長く楽しめるよ」などと、財布と相談しながら、うまく結論を導く。大人はずるいのだ▼本人が決めたように思わせながら、じつはそう仕向けている。これが親子の小さな駆け引きならニヤリとするが、政治がらみとなれば笑っていられない。健康保険証が廃止されてマイナカードと一体となる件である▼マイナンバー法は先の国会であれこれ改正されたが、カードの取得はあいかわらず任意とされている。実態はどうだろう。もし保険証のかわりに資格確認書をもらっても、1年ごとの更新が必要になる。不便を押しつけてカードに切り替えさせたい思惑が見え見えだ▼先ごろ閣議決定された「デジタル社会重点計画」では、母子健康手帳と一体化させる方針も示された。ハローワークでの求職の受け付けでも、カードが必要になる。図書館カードや国立大の授業の出欠管理にも広がる▼外堀をどんどん埋めておいて、でもカードの取得は自分で選んだことでしょうと、政府は涼しい顔をする。だとしたら、じつにずるい。強引な手法は愛想をつかされるだろう▼こんな至言を見つけた。利用者を差しおいて、行政手続きのオンライン化そのものが「自己目的とならないように」とある。ほかならぬ重点計画の文書だ。もう一度、河野太郎デジタル相は熟読したほうがいい。]
私たちは、いま、地球の・・いつ・どこにいるのか 2023/01/10
ウクライナでは、人々が、知らない間に殺されている。多くの生物が生きる地球は、人間によってどのようにされてしまうのだろうか・・・。教育・科学技術・文明の発達とは何なのか。
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〔(社説)人口80億人 地球の限界を考える 朝日 2023年1月10日
人間のくらしは地球何個分?
世界の人口が昨年11月に国連の推計で80億人を超えた。
人間は文明の発達とともに養える人口を増やしてきた。技術が進歩して食糧を増産し、利用できる土地や資源も広がった。農業や産業革命といった大きな技術革新で急速に増えてきた。
今後、人間が必要とする物資を効率的に得る飛躍的な技術革新が起きたり、人口が減少して食糧やエネルギーを分かち合ったりして暮らしていけば、明るい未来を描けそうだ、といった楽観論もあるかもしれない。
半面、地球が生産できる生物資源も、利用できる地下資源も無限ではない。
いま、地球は、どれくらいの人口を抱えられるのだろうか。
■地球の力
人間が地球環境にどれだけの負荷を与えているかを知るひとつの指標がある。「エコロジカル・フットプリント」という。「生態系を踏みつけている足跡」という意味で、カナダの学者らが提唱した。
人間の生活や経済活動によって農地や森林などの陸地や、漁場となる海をどれだけ使っているかを示す。統計データなどを元に、食糧や衣類の生産、廃棄物の分解や化石燃料の活用で排出された二酸化炭素を吸収するのに必要な土地なども計算に入れる。地球が1年間でまかなえる量で人間が生活をしているかが、推定できる。
国際組織「グローバル・フットプリント・ネットワーク」によると、世界人口が30億人余りだった1961年には人間は地球0・7個分の生活だったが、71年に1個分を超え、いまは1・8個分の暮らしだ。
もし、世界中の人々が日本と同じ暮らしをしたら、地球が2・9個必要になる。米国と同じなら5・1個、中国なら2・4個、インドなら0・8個だ。
裕福な生活ほど、1人あたりの消費は増える。同じ距離の移動でも、飛行機は鉄道や船より大量の燃料を使い、牛肉や豚肉は穀物よりも生産段階で多くの資源が必要だ。もちろん絶対的な指標ではないが、豊かで便利な生活は、それだけ未来に負荷をかけているさまが浮かぶ。
■高まる危機感
昨年末開かれた生物多様性条約締約国会議(COP15)は、2030年までに地球の30%を保全する「30by30」など、生態系を守る新目標で合意した。高いハードルだが、危機感を世界が共有するあらわれでもある。化石燃料の消費やそれを原因とする気候変動も、地球に大きく負荷をかける。食糧生産のために森林を切り開いて農地を増やすのも同様だ。
地球は46億年の歴史で5回の大量絶滅を経験してきた。現在は、6500万年前に恐竜などが絶滅した時代に続く第6の大量絶滅時代と呼ばれ、当時よりも急速に生物種が減っている。約800万種いるとされる動植物のうち約100万種が絶滅の危機に直面し、絶滅の勢いは、過去1千万年間の平均の数十倍から数百倍も早まっている。人間による破壊力はすさまじい。
■循環型社会にむけて
自然の破壊が一定の境界を越えると回復不可能となり、人類が繁栄を続けることができない。「プラネタリー・バウンダリー」(地球の限界)という考え方では、人間が地球の機能に変化を引き起こす九つの要素を特定して、越えてはいけない境界を示している。
すでに「生物多様性」「窒素とリンの循環」「気候変動」「土地利用の変化」でリスクが顕在化して、人間が安全に活動していく範囲を超えていると分析される。窒素やリンは肥料として食糧生産を支えるが、過剰だと川や海の汚染を招く。
地球の人口は2050年代に100億人を超え、2080年代に104億人でピークを迎えると推定されている。その先、減少を続けて安定的な人口になっていくとしても、それまで、生活を支える地球の限界を人類は超えずにすむのだろうか。
国を超える共通課題に一つひとつ取り組み、社会のあり方を考え直すことが求められる。循環型の社会づくりは、地球のためでも自然のためでもなく、人間の未来のためだ。
80億人突破を機に、地球の現状と生活を見つめ直し、子孫に何を残せるか考えていきたい。〕
政治と国民の意識 2022/10/24
私は、この十数年の政治・社会の中で、 森友・加計問題から桜に至るウソを見てきて、政治家はもちろんのこと・・そんな政治を支える国民こそが、発言や行動が腐ってきているのではないかと思える。それは、自民党も、トランプも、プーチンに至る・・こ社会と世界の背景が見えてきて、人間とはどういう生き物なのか、そして地球はどうなっていくのかの課題に至るのです。
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〔(多事奏論)国葬と岸田首相 実にこわい、剣が峰で気概なし 朝日 高橋純子 2022年9月28日
この原稿は、国葬がどのように執り行われ、そのとき日本社会がいかなる相貌(そうぼう)をあらわしたかを最後まで見届けることなく締め切りを迎えています。「弔意の強制はしない」とされましたがみなさん、どうでしたか? 私は「静粛に」という抑圧をひしひしと感じつつ、パソコンに向かいました。強制でなければ自由というわけでは決してない。国葬は、やるべきでなかった。
*
自民党の二階俊博元幹事長は岸田文雄内閣の支持率下落を受けて「安全運転だけではダメだ」と注文をつけたそうだけれど、はて、岸田首相はそもそも「安全運転」だっただろうか? 違うな。
確かにスピードはまったく出ていない。だが、ふらふらと右に寄ったり左に寄ったり、ウィンカーを出しつつ直進を続けたり、「なんでいま?」というタイミングでアクセルを、「どうしてここで?」な場所でブレーキを踏んだりする。周りがよく見えていないのか、はなから見ちゃいないのか、状況と動作がかみあっておらず、何をどうしたいのか意図がさっぱり読めない。
これは実に地味にこわい。猛スピードで周囲を威圧し、およそブレーキを踏むことがなかった安倍晋三内閣の「暴走運転」に勝るとも劣らぬこわさである。要するに首相はドライビングセンスがない。つまり政治センスがない。ああ、身もふたもない。
国葬をやると表明してから国会で説明するまでの2カ月近く、反対の世論が雪だるま式にふくらむのを、なんら手を打たずに放っておいたことが首相のセンスのなさをなにより物語っている。そしてようやく臨んだ国会では、国葬をやる理由(1)(2)(3)(4)を並べ、それを何度も「丁寧に」繰り返すだけ。異論と対峙(たいじ)しているという緊張感も、己の弁舌で窮状を打開してみせようという気概のかけらも感じられない。
国葬が旧統一教会にお墨付きを与えることになるのではないか。評価が割れる安倍氏の国葬を行う時、社会に生じる亀裂をどう修復するつもりなのか――あまたの問いを煎じ詰めれば、「あなたはいったいこの国をどこに連れて行くつもりなのか?」。
まさに首相の真価が問われる、のるかそるかの大舞台を自ら呼び込んでしまっているのに、ご当人はどこ吹く風、剣が峰でフォークダンス。実に地味にこわい。
首相はどうもわかっていないようだが、「聞く力」を掲げるからには強権的で新自由主義的な安倍・菅路線を変えてくれるかもと、支持・不支持の判断を留保した中間層が少なからずいた。首相の存在感のなさが好感につながるという奇妙な幸運に浴していたのに、国葬を「独断」し、うかつにも示してしまった。無用の存在感を。
世論を二分する重大な判断をする以上は、前面に出て、自らの「肉声」で勝負せねばならない。説明と、説得と。その能力も覚悟も欠いたまま、保守層にこびを売るという安易な道を選び、結果、中間層に見切られてしまったのだから世話はない。
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社会の分断をもたらす国葬を実施した首相の罪は重い。だからこそ、あえてひとつ提案したい。自ら先頭に立って安倍氏を盛大に悼んだことを奇貨として、「安倍政治」との決別を宣言し、国葬を新たな出発の機会と位置づけてしまってはいかがか。いまとなっては唯一の、意味ある国葬の「使い道」であり、首相にとって、日本政治にとっても起死回生のラストチャンスかもしれない。勝負に出る価値は十分あると考えるが、どうだろう?……って、答えは聞かなくてもわかる、ような気がする。
それにつけても、安倍氏の「残像」をいまだ振り払えない岸田政権と自民党のどん詰まりぶりはかなり深刻だ。「一枚岩」の組織は強いようで、オルタナティブをはぐくめないもろさを別に抱える。「安倍一強」に酔いしれてきたツケは今後じわじわ回ってくることだろう。震えて待たれよ。
(編集委員)
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「安倍元首相は自らが生み出した『長期腐敗体制』の犠牲者です」 思想史家・白井聡が語る銃撃事件
小林 空 2022/07/27
連続在職日数2822日、憲政史上最長の政権を築いた安倍晋三元首相は、アベノミクスや集団的自衛権の行使など、賛否両論の政策を推し進めた。またスキャンダルにまみれたモリカケ問題では、国民を二分する激しい対立を引き起こしもした。
2012年12月に成立した第2次安倍政権とは何だったのか。安倍氏が殺害されるひと月前、奇しくもその実態を論考した『長期腐敗体制』(角川新書)を上梓していたのが、思想史家であり政治学者の白井聡・京都精華大学准教授だった。
長期腐敗体制・・・数々の無能、不正、腐敗・・恩恵にあずかる一部の既得権者を押し上げる一方で、多くの国民の生活は疲弊・・安倍氏自身も長期腐敗体制の犠牲者となったと言うべき・・・000
官僚への強力な権力の源泉を安倍政権は掌握し政治主導を制度としては確立したのです。
――そのため本書では、2012年体制は、「腐敗」「不正」「無能」の三拍子がそろっていると指摘されています。
モリカケ問題や桜を見る会など不正や腐敗もありましたが、特に無能さを露呈したのがアベノミクスでした。安倍氏は「株価が上がり、有効求人倍率は上がり、雇用創出に成功した」と主張しましたが、すべてはマヤカシだったのではないか。まさに今そのツケが回ってきています。00000
アベノミクスの柱は日本銀行を「政治主導」して行われた異次元の金融緩和でした。これのせいで、いま日本の経済政策はにっちもさっちもいかなくなっている。アメリカをはじめ諸外国がインフレに苦しみ金融引き締めを急ぐ中で、日米の金利差が拡大し、終わりのない円安にあえぐ結果になっている。年末には対ドルで150円という水準の円安に向かうとの観測も流れています。
そもそも異次元金融緩和はカンフル剤のようなもので、注射することで日本経済が活性化するきっかけをつくるという政策だったはずです。しかし、そもそも資金需要のない日本経済に、異次元緩和で大量のマネーを供給し続けただけでした。そのお金は日銀の当座預金に積みあがるばかりで、市中に流れ出ることはなく、新規産業も生まれなければ、労働者の待遇も改善しなかった。
雇用は非正規ばかりが増える一方で、給料も上がらない。こんな状態で、個人消費が喚起されるはずもない。さらには社会保障費は右肩上がり。そこへもってきて、いまはまた円安やエネルギー価格高騰の悪いインフレで、家計は圧迫されています。2012年体制の下で日本がどれほど貧しくなったか、目を覆うばかりです。日本人の経済生活は破綻に向かっています。
設備投資の観点からみても、エネルギー問題から見ても、深刻なのは再生可能エネルギーへの投資がまったく不足していたことです。世界的にもカーボンニュートラルが追求目標となっている中、自然エネルギーへの転換において、日本はヨーロッパ諸国から大きく水をあけられる状況になっている。
10年前、20年前には、京セラや三洋電機(現パナソニック)が世界でトップを走っていた太陽光発電の電池パネルの生産は、中国のメーカーに抜かれて見る影もありません。そして今、電力不足で苦しむという新興国と変わらない状態になっている。
「安倍元首相は自らが生み出した『長期腐敗体制』の犠牲者です」 思想史家・白井聡が語る銃撃事件
現代ビジネス
「安倍元首相は自らが生み出した『長期腐敗体制』の犠牲者です」 思想史家・白井聡が語る銃撃事件
「縁故を優先する考え方」が蔓延る
――異次元の金融緩和は日本の経済界を突き動かすこともできなかったということですね。そして、景気は上向くことはなく、いまも金融緩和をやめられない。これが円安を招いている実態と言えそうです。
アベノミクスの失敗は、政治家だけでなく経済界にも大きな責任があると思います。コロナ禍でムリヤリ開催されたオリンピックが典型ですが、国策にはどんなに馬鹿らしいことでも「万歳! 万歳!」と言って一枚かませてもらおうと必死になるが、本来、やるべき政策が民間からボトムアップされることはありません。
そして、労賃カットと円安誘導という最も安易な手段で収益確保です。経営者として本来あるべき展望を欠き、2012年体制を支えることで、利権にぶら下がる商売を続けてしまった。
日本の今の在り方はネポディズム(ものごとの正しさよりも縁故を優先する考え方)資本主義と呼んでもいいでしょう。他方、政治的には権威主義国家となり下がってしまった。
――鯛は頭から腐ると言いますが、まさに「無能」さを露呈した頭(トップ)から日本経済の衰退は進んでいる。それなのに、それをくつがえす民間の活力が湧き上がらない。
その通りです。だから長いものに巻かれることしか考えない人間が増えている。文化面で見るべきものがあればまだ救いがあります。歴史的に見ても国の衰退期には、退廃的で美しい文化が生まれることもありますが、それも感じることはできません。政治、経済、文化、どの面をとっても閉塞と停滞しかありません。精神的に死に絶えつつある気すらします。
ロシア交渉も成果なし
――安倍政権で比較的評価の高い外交・安全保障についても、白井さんは「目も当てられない」と指摘しています。
それは長期的な視点やそのための主体性、自主性が感じられないからです。これは2012年体制の外交に首尾一貫しているのですが、「国際社会で日本が生きていく道はこうなのだ」という確たるビジョンがない。
安倍政権は、前半期には中国を抑え込むために対米追従・従属を深める外交でした。そのためにTPPに参加したし、また、集団的自衛権の行使容認というほとんど改憲に等しいことまでやりました。ところが後半になると徐々に対米従属一本足打法を修正し始めます。
顕著なのが中国への接近です。そもそも日本経済が中国との関係なしに成り立たないことは、分かりきったことでした。その現実に促される形で、関係改善を余儀なくされたというのが真相でしょう。
実際、2020年には中国の習近平国家主席を国賓として招くはずでした。これはコロナ禍で中止となってしまいましたが。しかしながら、総理を退任してからの安倍氏は、台湾有事をことさら宣伝するようになり、対中緊張を煽りました。
要するに、何がやりたいのかさっぱりわからないのです。こうしたビジョンのなさは外交では致命的に作用します。それがロシア交渉で露呈しました。
2014年ロシアがクリミア併合を行いアメリカとの緊張が高まっている最中、安倍氏は北方領土問題の解決と平和条約締結を目標としてプーチン大統領と27回首脳会談を行いました。
米露緊張の中でのロシア交渉に、プーチン大統領は「アメリカの機嫌を損ねるのはわかっているよな、覚悟しているのか」と様々な形で問いかけます。ところが、日本からの回答はなく、ここでも安倍氏の外交姿勢は曖昧なままに進められた。当然、プーチン大統領の日本への不信を払しょくできるはずもなく、ロシア交渉は何の成果も得られませんでした。
コロナ対応に追われた菅政権での外交はほとんどなく、岸田政権になってからは再び対米従属一辺倒へと戻りつつあります。
――ウクライナ情勢を見ても、米中対立を見ても、これから地政学的に大きな変化は避けられそうにありません。
ロシアの侵攻に対してウクライナは健闘していますが、ロシアが地力で勝るという現実が徐々に明らかになってきました。さらにアメリカ主導で対露経済制裁が行われているわけですが、参加しているのは先進国だけ。制裁を掛ければロシアは立ちいかなくなるだろうという見込みで始めたわけですが、あまり効いていない。現実問題として先進国に世界をコントロールする力などないことが証明されつつあります。
そういう混沌とした世界情勢の中で、現状分析もあやふやでビジョンを明確に示さない2012年体制が対応できるのか。難しいだろうと言わざるを得ません。
――ビジョンのない長期腐敗体制は、なぜ生まれてしまったのでしょうか。
無能と不正、腐敗の体制がなぜできたのかを問うべきでしょう。今回の参議院選挙でも自民党が大勝したわけですが、それは国民がこの体制を支持し続けているからにほかなりません。
本来、民主主義国家では、国民の不満が高まれば為政者にノーが突き付けられる。イギリスでは7月7日にジョンソン首相も辞任に追い込まれたわけですが、きっかけはコロナ禍の行動制限に違反してパーティを開いていたことでした。こうした権力者の不正を罰する国民の姿勢は、少なくとも2012年体制ができてから、日本では影を潜めています。
批判に値することが続けばトップのクビが挿げ替えられる。この当たり前の民主主義のメカニズムが、日本では働かなくなっている。もはや日本では選挙が機能していないのではないかと、選挙をやる意味すら問われる状況になってきてしまっています。
その意味で、冒頭に語ったように安倍氏は2012年体制の犠牲者と言えるのではないでしょうか。本来であれば、無能と不正、腐敗が明らかとなれば、どこかでブレーキがかかるはずだったのですからね。
国葬に反対する理由
私自身はもう、一つ一つの選挙の結果に一喜一憂しなくなりました。結局は今のような政治状況を作っている社会の質、社会を構成している国民の質が問題の本質なのです。
経済的に苦しくなっているのに、投票率は上がらない。明らかに統治パフォーマンスの低い「長期腐敗体制」を支持してしまう。危機を回避する本能が、日本からどんどん失われているのではないか。日本人は生命力を失いつつある。そんな危機的な状況に陥っているのだと思います。
最後に、安倍元首相の国葬に私は反対です。最大の理由は、国家・国民に対する貢献がないからです。岸田首相は、民主主義への挑戦には屈しない意思を示すというようなことを言っていますが、そもそも山上容疑者による犯行は民主主義への攻撃ではない。家庭と彼個人の人生を台無しにされたことによる恨みが動機です。
選挙期間中の犯行となったのは、やりやすかったからにすぎない。ですから、国葬の岸田政権による政治利用は明らかであって、それは2012年体制を維持するのだという意思表明にほかなりません。岸田氏も、国葬を支持する人たちも、自分の権力の維持や自分の自意識のかさ上げのために、安倍氏を亡くなってまで利用するのはいい加減にしろ、と言いたいです。
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民主主義と暴力 2022/07/14
安倍晋三元首相が凶弾に倒れて、犯人の若者には当然のことながら・・避難一色である。「民主主義の危機」から始まって朝日(社説)では「民主主義の破壊許さぬ」と書いている。
私はその「民主主義」そのものにも疑問を感じているので、それを結びつけるような感覚はあまりなく、「民主主義とは何なのか」という視点と「暴力」はそれぞれの問題と考えている。
歴史的に見ても、いまの社会や世界を見ても、社会は暴力的であり、戦争は絶えない。ロシアは、相手の兵士に限らず市民や民家と、公共の建物も区別なく破壊を繰り返している。
いくら科学技術が発達して、生活がとてつもなく便利になったとしても、人間の暴力性は変わらないようだ。いったい何で人間は暴力的なのだろうか・・。
その原因は子育てから始まる教育に、そして社会の・・つまり、誰の心にもある「願望と成功」を目的とする人間の心にあると私は思っている。簡単に言えば、親も社会も「努力と成功」を目指して子供を育てるのだが、そのことに疑問を感じることはほとんどないのではないか。競争に勝って・・少しでいい地位に、高い位置に登りつめたい、成功したい・・それは他者から羨望の目で見られ、尊敬の目で見られるのが解っているのだ。
それに限らず、成功は地位を意味し、地位は他者の上に立って「他者を支配」することになって、そこに暴力や破壊の発生する可能性も出てくる。
だが成功者がいれば、敗者もいて、他者からどのような目で見られ、どのように扱われるかが全く違ってくるのだ。成功者と敗者では、生活に必要な資金も財産も違うから、生活の質が全く違ってもくるし、子供はその親から受ける恩恵によって、子供の生活から財産も地位ですら違ってくる。社会とは、そのように作られているのだ・・人間の願望によって。
そういう意味でも、暴力を別にしても・・安倍の死については、私は異なった別の視点から見ると、長い間日本の政治社会に巣食っていた「安倍のウソ・ごまかし」が多少なりとも改善することが期待できるような気がする。「偉大な政治家を失った」と、テレビも新聞も同じ言葉を繰り返して、花を持って訪れる人々の列ができるのだが・・・。
いったい彼は何をしてきたのか・・
最大派閥「安倍派」を率いて、いままでにも「ウソだったら、自民党も議員もやめる」と、大見得を切って、結局司法は「不起訴」にする路線が出来上がっているようだ。
民主的だとか、平和などという言葉にだまされてはいけない。森友・加計・サクラをはじめとするさまざまな問題を記録しておくのは・・いつも書いている・・朝日や「身辺雑記」から拾っておくのも意味のあることかもしれない。
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〔(多事奏論)バラマキ合戦 愛されること望む政治の果て 原真人 朝日 2021年11月10日
池田勇人の「所得倍増」、田中角栄の「日本列島改造論」。時の政権がバラ色の未来を描き、国民に希望や夢を与える。そんな試みはいつの時代にもある。
最近では第2次安倍政権の「アベノミクス」がそうだ。異次元の量的金融緩和を起爆剤に高成長を実現、強い日本経済を取り戻す、と高らかに宣言した。
とはいえ、国が貧しく国民が若くて人口が増えていた時代と、経済が成熟し超高齢化と人口減少が進む現代とでは求められる夢や希望のかたちがまったく異なる。
アベノミクスの掲げる夢は時代を誤っているし、その手法はあまりに危険だ。私は紙面で警鐘を鳴らしてきたが、その懸念がどれだけの人に共有されたかわからない。
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岸田政権でもアベノミクス体制は続く。異常な金融緩和にどっぷり依存し、ときに給付金のようなバラマキ策もとる。陰では巨大な借金のリスクを先送りしながら。
政権がそのような安易な立場をとり続けるとき、現実的ではあっても不人気な対案を野党が示すのは簡単ではなかろう。
それにしても先の衆院選での与野党の経済論争はひどかった。あちらが消費税の減税と言えば、こちらは廃止、こちらが18歳以下に給付金10万円と言えば、あちらは全員に10万円。こぞって人気取りに走った。
これぞ「バラマキ合戦」と、そこに冷や水を浴びせたのが財務省の矢野康治次官の月刊文芸春秋への寄稿である。
「このままでは国家財政は破綻(はたん)する」。安倍・菅両政権下で官界を覆った「物言えば唇寒し」の空気を破ったその訴えは政界に波紋を広げ、自民党の高市早苗政調会長の怒りを買った。ただ、正面きって反論する政治家はほとんどいない。指摘は図星だったのだ。
国民も真摯(しんし)に受け止めた。消費税の減税・廃止論が飛び交う選挙戦のさなかにもかかわらず、朝日新聞が実施した世論調査では消費税を一時的にでも下げるより10%維持がよいと回答した人が57%を占めた。
目先の支持を得たいがためだけの甘い公約は結局事態をいっそう悪化させ、負の遺産として積み残される。アベノミクスがもたらしたものも、けっしてバラ色の未来などではなかった。株価は急上昇した。けれどその間、成長率は低迷。実質賃金は伸びず国民の暮らし向きは良くならなかった。
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半世紀前の英国経済も閉塞(へいそく)状態に陥っていた。本人の歴史的な評価はさまざまだろうが、再建した立役者はまちがいなく元首相サッチャーだ。側近は彼女の政治的資質として思想的確信、道徳的勇気、一貫性、鉄の意志に加え「愛されることを望まなかったこと」を挙げる。愛されない覚悟をもって自らの政治信念を訴えていく。それが国家的大変革には欠かせなかった。(冨田浩司「マーガレット・サッチャー」)
「日本の未来に希望はあると思うか?」
先月、福島県の中学生の授業を受け持った機会に、全員に聞いてみた。全員が「ない」と答えた。年に何回か受け持つ大学の授業でも同じ質問をぶつけてみるが、いつも9割以上の学生が「ない」と答える。いまの政治が、未来の財政や社会保障に確かな責任をもっておこなわれているとは思えないことを理由に挙げる学生が多い。
日本財団が2年前、9カ国で実施した18歳調査でも、国の将来が「良くなる」と答えた日本の若者はわずか9・6%。先進国は総じて低めとはいえ、米国(30%)やドイツ(21%)と比べても際立って低い。
愛されることを望み、愛される政策ばかりを示し続ける日本の政治。若者が希望を抱かない国は、その帰結なのではないか。
(編集委員)
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「身辺雑記」から
アベノミクスとは金融緩和。安倍政権・日銀は一貫して、バブル相場(株価上昇)で大儲けする富裕層を優遇してきた。そもそも投資できる人たちには、それだけの資産があるということだ。その一方で、派遣切りや人員削減で仕事を失って、日々の生活に困窮する人が増えている。資産などあるはずもなく、わずかな預貯金を切り崩すしかない。
経済格差は確実に拡大している。富裕層を優遇し税制でも助ける政府の姿勢をおかしいと思い、怒りの発露とするのか。それとも自分も富裕層になれたらいいなあと羨望し、酷い目に遭っているもの同士で非難し合うだけなのか。もちろん政財界が望むのは、怒りの矛先を政府に向けて是正しようなんてことは考えもしない従順な人々だろう。
モリ・カケは「既に処分が済んで結論が出ている」と平然と流してしまう菅首相。
モリ・カケ・サクラ・マスク・カジノ汚職・カワイ選挙買収など数多くの犯罪行為に関わってきた共犯。つまり税金の私物化や公文書偽造・捏造・隠蔽・廃棄の当事者として、責任追及される側なんだけどね。そこには触れられず、すっかりなかったことのようにされている。
自分たちの税金が大量にかすめ取られているというのに、新型コロナ対策もデタラメでちぐはぐなことしかやっていないのに、何が悲しくて安倍政権を評価なんかできるのだろう。メディアの多くも有権者もいったい何を考えているんだろう(何も考えていないのかも)。このままだと、残念ながらこの国はもうダメかもしれないね。
しかし「安倍首相の辞任で終わり」にはならない。モリ・カケ・サクラ・マスク・コロナ・カワイ選挙買収・カジノ汚職など、安倍政権による数多くの犯罪行為を、決してうやむやに終わらせてはならない。前代未聞で最低最悪の「アベ政治」はまだまだ続く。「アベ政治を許さない」の看板を下ろすのはまだ早い。
そもそも全国一律の休校が、科学的・医学的にどれだけの効果があるのか、医師・研究者・専門家の間でも評価は分かれています。
しかも学校現場だけでなく、家庭や社会への影響・混乱が大きいし、何の準備も説明もなく、唐突に一方的に「要請」したやり方は、いかにも場当たり的な思いつきで、行き当たりばったりとしか思えず、いつもの安倍晋三のパフォーマンスにしか見えません。
辺野古の軟弱地盤を無視した埋め立て強行も、森友・加計学園問題も、どれもこれも嘘だらけ。公文書や公的データの隠蔽・捏造・偽装まで行って、まともな説明をせずに開き直るのが安倍自民党だ。
あれだけ大量に大胆に改竄・隠蔽して国民と国会を欺きながら、「文書の根幹部分は失われていない」といった大阪地検特捜部の不起訴の理屈は成り立つはずがないし、成り立たせてはいけない。世間の常識からは著しく乖離している。この国は法治国家の体をなしていない。
5月21日(月曜日) あれもウソこれもデタラメ
もうずっと前から大半の人は、安倍首相が権力を私物化し、大親友の加計孝太郎氏の獣医学部新設に便宜を図ったのは分かっているが、ここに来てさらに新たな証拠が登場。愛媛県が国会に提出した公文書によると、加計氏本人から説明を受けた安倍首相が「獣医学部いいね」と応じたというのだ。しかも3年前に。昨年1月に加計の獣医学部新設計画を初めて知った、という安倍首相の国会答弁はやはり大嘘だった。
あれもウソこれもデタラメ。次々に隠蔽やごまかしが露呈する安倍政権。ほとんど公開処刑やさらしものといった様相だ。まともな感覚の持ち主なら恥ずかしくて耐えられないはずだけど、安倍首相は厚顔無恥だから何も感じない。だから平然と嘘をつき続けるのだろう。
それにしてもここまでデタラメな首相を、それでもまだ3割が支持する日本国民っていったい……。国家(安倍自民党)の家畜なのか。洗脳されて飼い馴らされてしまっているのか。無自覚な奴隷根性が哀れで情けない。
加計孝太郎理事長と安倍首相がオトモダチなのは、獣医師業界では有名な話。首相官邸主導の出来レースによって、最初から加計ありきで加計学園だけに獣医学部の新設が認められた。「国のやり方はフェアではないと思います」。京産大の大槻公一元教授の嘆きはもっともで、憤懣やるかたない気持ちは察するにあまりある。
子どもたちに教育勅語を唱和させて「安倍首相万歳」と叫ばせる愛国小学校の開校を画策した森友問題にしても、教員も教育内容も劣っている欠陥学園の獣医学部新設をゴリ押しした加計問題にしても、本当に酷い話だと改めて思う。こんなデタラメと国政の私物化がまかり通る異常事態のすべての責任は安倍首相にある。そんな首相が教育や道徳をもっともらしく語る。この異様な状況に、心から怒りと矛盾と理不尽さを感じる。
「行政に対する信頼が揺らいでいる。徹底的に調査して全容を解明し、うみを出し切って信頼を得るために立て直していきたい」と安倍首相がコメント。これを紹介した後の「報道ステーション」のナレーションが実に素晴らしかった。「一点の曇りもないはずなのに、どんなうみを出すのでしょうか」。いいね、すごくいい。皮肉たっぷりで切れ味も鋭く最高だった。原稿通りなのかアドリブなのかは分からないけど、いずれにせよグッジョブ。拍手。 〕