カードに潜むこと   2023/06/28

2万円分のポイントまでつけて、カードの登録を急いでいる政府は、次々に出てくる健康保険のミスやトラブルで困惑する医療関係者の戸惑いにもかかわらず、
強引に進めようとしている。いまでも、何枚かあるカードの1枚でも紛失して、危機感を持つのが・・医療から運転免許証まで一緒こたにすれば、便利なんてことは無くしてしまう不安や危険性にかすんでしまうと、私は考える。
これは単なるカードの問題ではなく、自民党政治を支える、国民という名の人々の意識の問題というしかないようだ。それは人々の生活から、子育て、教育、経済、文化、スポーツにまでもおよんでいる。カードにしても、ウクライナにしても・・それは、私たち個人の意識の問題ではないか。

[ マイナカードと保険証      朝日(天声人語) 2023年6月25日
 最新のゲーム機にするか、動物図鑑にするか。誕生日のプレゼントを子どもが迷う。こんな時、頭ごなしに親が図鑑と決めてもだめなことが多い。「こっちの方が長く楽しめるよ」などと、財布と相談しながら、うまく結論を導く。大人はずるいのだ▼本人が決めたように思わせながら、じつはそう仕向けている。これが親子の小さな駆け引きならニヤリとするが、政治がらみとなれば笑っていられない。健康保険証が廃止されてマイナカードと一体となる件である▼マイナンバー法は先の国会であれこれ改正されたが、カードの取得はあいかわらず任意とされている。実態はどうだろう。もし保険証のかわりに資格確認書をもらっても、1年ごとの更新が必要になる。不便を押しつけてカードに切り替えさせたい思惑が見え見えだ▼先ごろ閣議決定された「デジタル社会重点計画」では、母子健康手帳と一体化させる方針も示された。ハローワークでの求職の受け付けでも、カードが必要になる。図書館カードや国立大の授業の出欠管理にも広がる▼外堀をどんどん埋めておいて、でもカードの取得は自分で選んだことでしょうと、政府は涼しい顔をする。だとしたら、じつにずるい。強引な手法は愛想をつかされるだろう▼こんな至言を見つけた。利用者を差しおいて、行政手続きのオンライン化そのものが「自己目的とならないように」とある。ほかならぬ重点計画の文書だ。もう一度、河野太郎デジタル相は熟読したほうがいい。]