悲惨な災害と国民の意識とそれに伴う政治  2020/09/20

総理大臣の数々のウソにまぎれた政治と、それを支えてきた国民の甘い意識が終わろうとしていない中に、自民党の派閥とかいう仕組みが後継者を決めてしまったのを、どう見たらいいのか・・日本人なのか、人間というものがそういうものなのか・・米国でも、人々の意識はそんなものなのか・・という思い。

そんなどうにもならないことはさておいて、どうにかなりそうな可能性が少しは見える豪雨・台風に見られる悲惨な浸水被害は、この数年にわたって、何度もその映像を見るたびに・・自分の身に置き換えてみるたびに、気がかりが続いている。

自治体や気象関係者も、それなりの努力はしているようだが、木材の需要が少なくなった山と川に対する政治の姿勢にその基本的な原因が見えてくる。

沖縄の基地問題もそうだが、自分の家の中に水が侵入した時のことを、少しでも想像してみれば、政治とか、国民とかの意識というものは、そんなものなのか・・という思いが仕方なく浮かんでくる。


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〔 ダム、必要以上に下流へ放流か 豪雨時に4基で水位低下 山本孝興  朝日 2020年8月18日
 西日本豪雨などがあった2018年、19年の2年間に、台風などの際に緊急放流をしたダムは全国に14基あり、少なくとも4基のダムが必要以上の水を下流に放流していたとみられることが、管理者の国や県への取材でわかった。見極めが難しい流入量を放流量が上回る「過放流」だった可能性がある。

ダムに過放流の可能性 「流入量の計算にタイムラグ」
 緊急放流は、大雨でダムが満水に近づいたとき、流入量と同じ量まで放流して水位を一定に保つ操作。この際に過放流をした場合、必要以上の水が下流に流れることになり、浸水被害につながる可能性もある。

 国土交通省によると、2018年7月の西日本豪雨で8基のダム、昨年10月の台風19号では6基で緊急放流が行われていた。朝日新聞は、ダムを管理する国交省や県への情報公開請求などで、当時の放流量や流入量、水位などが記された「操作記録」を入手した。

 それによると、西日本豪雨時の「鹿野川(かのがわ)ダム」(愛媛県大洲市)と「野村ダム」(同県西予市)、台風19号時の「塩原ダム」(栃木県那須塩原市)と「高柴ダム」(福島県いわき市)で、緊急放流中にダムの水位が下がっていた。

 4基のダムでは緊急放流の開始から約25分~2時間後、放流量が流入量に追いつき、水位の上昇が止まった。その後は流入量にあわせた放流が続いており、水位は一定のままになるはずだった。だが、水位は塩原ダムの約1・65メートルのほか、3基のダムでも約1メートル~約0・35メートル低下。貯水量では約166万5千~約33万トン(東京ドーム1杯分が約124万トン)減っていた。

 国交省や各県の担当者によると、緊急放流の操作は、ダムを管理するコンピューターが算出した数値に従って職員が行う。水位は実測値を元に算出され、放流量も正確に把握されている。これに対し、支流などあらゆる所から流れ込む流入量は正確に測れないため、直近10分~1時間単位の流入量を元に「想定値」を算出している。

 西日本豪雨時に国交省四国地方整備局の河川管理課長だった渡辺健二氏は「(想定した)流入量が実際の現象を表していなかった可能性がある。結果として、放流量が上回ったかもしれない」と説明。国交省河川環境課も「算出システムの精度が大規模な雨に追いついていない部分はある。今後、何らかの対策をとる必要がある」と話す。

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 愛媛県肱川(ひじかわ)流域にある鹿野川、野村両ダムをめぐっては、緊急放流中にダム下流域の大洲市西予市で約3500棟が浸水し、8人が死亡。下流域の住民らは今年1月以降、「浸水被害が広がったのはダムの緊急放流が原因」として、国などに損害賠償を求める訴訟を松山地裁に起こしている。(山本孝興) 〕