コロナから学ぶことが・・  2020/05/17

コロナ騒ぎで、給食用の牛乳が捨てられたりして、地球の資源について考えさせられる機会でもある。そんな中で目を引いた記事が・・「肉や乳製品の生産と消費を減らすことが、地球温暖化を抑えるのに役立つ」という記事。
最近、体調を崩して、それがきっかけで生活を見直し、体の中の見えなかった動きが見えてきたりして、そこから学ぶことも多い。
コロナの犠牲となるのは、感染者に限らず、生活の糧を奪われる人も多く、それはいままでの個々人の生活に限らず、政治や社会を見直すきっかけにしなければならないのではないだろうか。
余裕のないぎりぎりの生活者や子供たち、そして貧困ぎりぎりで耐えてきた人々の存在が見えてくる。
何かが変わらなければならない。

(社説余滴)誰もができる気候危機対策 村山知博 朝日 2020年5月17日
 「コロナ危機からの経済再建では気候危機対策を忘れずに」という社説を書いた。感染症対策の影響で温室効果ガス排出が世界的に減る見通しだが、景気回復にともなって排出量が再び増えかねないからだ。

 化石燃料の使用を減らしたり、再生可能エネルギーを広げたり。経済の再建を急ぐにしても、同時に社会の脱炭素化を進めることを心がけないといけない。

 といっても、自分に何ができるのか? そう戸惑う人も少なくないだろう。

 省エネに努める。徒歩や自転車を活用する。家の屋根に太陽光パネルを設置する……。頭に浮かぶアイデアは、そう多くない。

 実はもう一つ、誰にでもできることがある。

 「食生活の見直しが地球の健康につながる」。国際環境NGOグリーンピース・ジャパンの報告書が、そう提唱している。肉や乳製品の生産と消費を減らすことが、地球温暖化を抑えるのに役立つという。

 報告書によると、世界で食肉処理される家畜の1人当たりの数は、過去50年間で3倍以上になった。その分、各種の肉や牛乳、チーズなどが食卓に載るまでに排出される温室効果ガスも増えたことになる。

 牧場や農場のため森林を切りひらけば、二酸化炭素の吸収量が減る。肥料や飼料、食肉の生産・加工・運搬には、農業機械や工場、トラックなどから二酸化炭素が排出される。

 昨年、国連の気候変動に関する政府間パネルIPCC)がまとめた特別報告書は、人間の活動で出る温室効果ガスのうち2割以上が農業や林業にともなうものだと指摘した。

 食料分野で出る温室効果ガスの6割以上が、動物性食品に由来するとの分析もある。肉や乳製品に偏らぬよう、一人ひとりが食生活を見直す意義は大きい。

 もちろん、コロナ禍で酪農家や畜産農家が苦しんでいるいま、菜食をめざそうというわけではない。

 「2050年までに動物性食品の生産と消費を半減しよう」と、グリーンピースは提唱している。少しずつでも努力すれば、生物多様性保全し、過剰な土地利用を抑えられる。

 長い目で食生活のバランスを心がけ、我が身と地球を健康にしたい。

 (むらやまともひろ 科学社説担当)